女子会のテ―ブル『EXPAT』。

ベラルーシ出身である、ヴァシリエヴァ・アリーナ監督の『EXPAT』は、2016年2月14日のバレンタインデーの日に、イオンシネマ新百合ケ丘にて上映された。今作が特出している美意識をあげるならば、全てをひとつのテーブルにのせている点だ。並べられたものは、「食事」「ボードゲーム」「故郷」である。これによって、女子会に集まった、旧ソビエト連邦時代に生まれた彼女たちは、「アイデンティティ」が問われることになる。彼女たちの故郷は、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアという複雑さがあるのだ。

 それを、作品を通して見せられる日本人にとっては、海外的な知識の無さだけではすまされない。アリーナ監督の繊細なる巧みな仕掛けは、日露戦争、アイヌ民族にも触れられているからだ。これは単なる卒業制作の1本に押し込めるには惜しい作品、それほど、しなやかで美しく強かな秀逸な映画だ。

 また、若き監督とスタッフには心からの賛辞をおくりたい。

監督:ヴァシリエヴァ・アリーナ

プロデューサー・撮影・編集:泰山 匠

録音:内田昴紀

制作:米澤春樹  小山智史

日本/2016/ビスタ/45分/日本映画大学