ちば映画祭『ローリング』

 ちば映画祭の初日オープニング上映の『ローリング』。

新鋭 冨永昌敬監督が、茨城県水戸市のという地域発信から生まれた映画ではあるが、第89回キネマ旬報ベスト・テン第10位という快挙を成し遂げた作品だ。全国に広がる多くのフィルムコミッションの中でも茨城県は東京近郊ということもあり、多くの映画やドラマに使用されてきた。しかし、真の意味で茨城県の地域性や街並を映像化した作品はあったのだろうか。今作のテーマに導くための手掛かりである、教師・おしぼり・ソーラーパネルというキーワードが、見事な和製フィルム・ノワールへと昇華させている。権力的な象徴のひとつである教師が人間へ堕ちていく。地方都市を描きながら社会問題と情愛が冨永独自のユニークさ堪能できる力作だ。