でま子の“キネマ探訪” その②「照明」

 映画の発展は、撮影技術の進歩とともにあると言われています。カメラは、時代とともに小型となり、フィルム撮影の多くはデジタル撮影に取って代わりました。暗がりでの撮影も可能になりました。しかし、照明技術が要らなくなったということではありません。

 

 近頃のテレビ番組は、ハイビジョン撮影やテレビの解像度が高くなったことで、人物の肌の細部まで鮮やかに写るようになりました。女優やタレントたちは、照明を工夫することで美しさを演出しています。

 

スクリーン2

『イングリッド・バーグマン

      ~愛に生きた女優~』2016

 

上映期間:917日(土)~1014日(金)

 

 


 

 今月の上映作品の『イングリッド・バーグマン〜愛に生きる女優』では、イングリッドの往年のスクリーンでの姿や、家族と過ごすホームムービーを見ることが出来ます。イングリッドのカメラ好きは父親ゆずり。カメラ好きが講じて写されるだけではなく、自らも撮影を好みました。プライベート映像の中のイングリッドは、自然光の下、柔らかな笑顔で観客を魅了します。

 

 一方、ハリウッド映画の中のイングリッドは照明スタッフから丁寧なライティングが当てられています。彼女の目には、ピンスポットの光を当て、黒目が輝くように演出をしています。また、もともと豊かで美しい髪は、光の角度を調整することでさらに立体的な艶めきを映し出しています。照明の有無で俳優の見え方や魅力は大きく変わっていくのです。

(キネマ旬報シアター上映ガイド10月号掲載)