『バベットの晩餐会』『神様の思し召し』

 柏駅周辺の町並みは、すっかりクリスマスの装い。そんな季節にぴったりな聖なる牧師と神父が登場する映画を2作品ご紹介します。

 

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バベットの晩餐会 デジタル・リマスター版

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 1本目の作品は、1989年に公開された名作『バベットの晩餐会』をデジタル・リマスター版による再上映。

この物語の舞台は、19世紀後半のデンマークにある小さな漁村。厳格な牧師であった父の遺志を継ぎ、伝導の道に生きる姉妹が住んでいた…。ある嵐の晩のこと、パリで家族を失い、無給で働かせて欲しいと、姉妹を頼ってフランス女性のバベットがやって来た。やがて長い年月が過ぎると、家政婦として姉妹に仕えてきたバベットは、宝くじで一万フランの大金を手にします。

 この作品は、全編ほのぼのした味わいで進行します。見どころは後半に入って、パリの名シェフと言われたバベットが、腕前をふるった数々のフランス料理が並ぶシーン。デジタル・リマスター版として美しく蘇った映像が、豪華な料理と人間ドラマをより深く味わうことができます。米アカデミー賞外国語映画賞作品を再びスクリーンで堪能ください。

 

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神様の思し召し

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 2本目は、共に人を救う職業医者と神父の奇妙な友情を描いた作品、『神様の思し召し』。

主人公の心臓外科医トンマーゾは、腕利きだが傲慢で他人のことなどおかまいなし。妻のカルラへの愛情も冷え気味。娘のビアンカには関心が薄く、息子のアンドレアを医大に通わせて、後継ぎにせようと期待を掛けている。しかし、ある日、アンドレアは家族に思いがけない告白する…。

 この作品は、東京国際映画祭にて観客賞を受賞したヒューマン・コメディ。脚本家として長いキャリアを積んだエドアルド・ファルコーネ監督のデビュー作です。偏屈で現実主義者な父親が、息子の告白に戸惑いながら、ひとりの神父と出会ったことで他人への思いやりや奇跡への祈りを捧げる様を描いています。観客を笑わせながら巧みな展開で、奥深い人間ドラマとして仕上げられた秀逸なラストに、再度を見返したくなる1本です。

  さて、今年も愛読された皆様と映画の良き出会いはありましたでしょうか。毎月ご一読いただき、ありがとうございました。良い年の瀬をお過ごしくださいね。出町光識 (朝日まつど新聞 2016年12月1日号より)