出町光識オフシャルサイト

Blog

『シン・ゴジラ』上映

スクリーン3

ゴジラVSシン・ゴジラ特集

『ゴジラ』 48日(土)〜21日(金)

『シン・ゴジラ』 48日(土)〜21日(金)

 

 新しい生活をスタートさせる節目の季節になりました。今回は『ゴジラ』の新作・旧作の2作品を紹介します。

 アメリカにあるハリウッドウォークには歴史的名優と並んで、日本が誇るスーパースター「ゴジラ」の名前が刻まれています。当劇場では世界一の怪獣映画の金字塔である1954年の初代『ゴジラ』と、2016年度日本アカデミー賞作品賞を受賞した『シン・ゴジラ』を合わせて上映します。

 旧作の初代ゴジラの物語は、太平洋沖で船舶が次々に沈没する怪事件が発生。事故の生存者が語る怪獣の目撃談を受け、古生物学者の山根博士、娘で助手の恵美子、恵美子の恋人で海難救助機関の所長尾形ら調査団が大戸島に派遣され、伝説の怪獣「呉爾羅(ゴジラ)」を目にする…。

 初代『ゴジラ』では、大怪獣ゴジラが東京に上陸し首都を破壊、火の海のする光景が見どころです。当時の時代背景も色濃く、ビキニ環礁での核実験と「第五福竜丸の被曝事件」という社会問題や、「東京大空襲」想起させた、東京の炎上シーンは終戦を生き延びた当時の観客を恐怖させました。監督を務めた本多猪四郎は、後期の監督人生では黒澤明監督の『影武者』以降の監督部チーフとして活躍。ゴジラだけでなく、俳優陣も宝田明、志村喬、菅井きんの味のある演技に注目です。

 新作『シン・ゴジラ』の物語は、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸の緊急会議では、地震や海底火山の噴火など、事故原因をめぐって議論が紛糾。しかし、内閣官房副長官の矢口蘭堂だけは、事故の原因は正体不明の巨大生物でないかと推測する…。

 矢口役の長谷川博己、内閣総理大臣補佐官の赤坂役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインに総勢328人の豪華なキャストが出演。狂言師の野村萬斎もゴジラのモーションキャプチャーアクターで参加したことでも話題を集めました。総監督・脚本は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で名を馳せた庵野秀明が務め、日本アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞。

 新旧の「ゴジラ」から戦後から今日までの日本社会の変転も垣間見ることができます。ぜひ、ご覧くださいませ。    

0 コメント

『ゴジラ』上映

『ゴジラ』48日(土)〜21日(金)

 

今回ご紹介する映画は、1954年制作の『ゴジラ』。

 物語は太平洋沖で船が次々に沈没する怪事件が発生。事故の生存者が語る怪獣の目撃談を受け、古生物学者の山根博士、娘で助手の恵美子、恵美子の恋人で海難救助機関の所長尾形たち調査団が大戸島に派遣され、伝説の怪獣「呉爾羅(ゴジラ)」を目にする…。

 今作では、大怪獣ゴジラが東京に上陸して、首都を破壊し火の海と化す光景を描写した特撮技術が見どころ。また西洋のドラゴン伝説や姫物語を雛形として構成です。当時の時代背景も色濃く、ビキニ環礁での核実験と「第五福竜丸の被曝事件」という社会問題や、「東京大空襲」想起させた、東京の炎上シーンは終戦を生き延びた観客を恐怖させました。監督を務めた本多猪四郎は、後期の監督人生では黒澤明監督の『影武者』以降の監督部チーフとして活躍。ゴジラだけでなく、俳優陣も宝田明、志村喬、菅井きんの味のある演技に注目です。    

0 コメント

『天使にショパンの歌声を』『あなた、その川を渡らないで』

スクリーン1

『天使にショパンの歌声を』

34日(土)〜324日(金)

 

スクリーン3

『あなた、その川を渡らないで』

 

34日(土)〜317日(金)

 

3月は別れの季節。今月は、そんな季節にぴったりの女性の優しく、そして力強く別れに向き合う映画をご紹介します。

 1本目の作品は、クラシックのピアノ音楽とともに別れを奏でる『天使にショパンの歌声を』。

 物語はカナダのケベックにある、時代の流れによって閉鎖寸前となった、音楽教育に力を入れる寄宿舎学校。コンクール出場者を輩出する名門音楽学校ではあったが、修道院の採算の合わない音楽教育は見直しとなり、閉鎖の危機に直面します。やがて、そこに校長オーギュスティーヌの姪で、ピアノ演奏の才能を持ったアリスが転校してくるのだが…。

 アリス役のライサンダー・メナードの演奏をはじめ、出演者は全員吹き替えなしの演奏は圧巻。誰もが知るショパンの「別れの曲」やリストの「愛の夢」など、名曲クラシックのファンなら見逃せない。レア・プール監督は、「音楽は思考を解放するものであり、集中力の鍛錬にもなり、より良い人間を作っていく」と語る。困難に立ち上がり、覚悟を決めた女性の姿は美しい。

 2本目の作品は、ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンタリー作品受賞した、老夫婦の純愛と別れを見つめたドキュメンタリー映画『あなた、その川を渡らないで』。

 98歳の夫チョ・ビョンマンと89歳のその妻カン・ゲヨルは、結婚76年間連れ添った夫婦。子どもたちはすでに独立、毎日ペアルックのお揃いの韓服を身にまとっています。2人は恋人同士のように手をつないで歩き、川辺のほとりで暮らしていました。そんな愛にあふれた生活にも、老いを重ねた身体に異変が起きてしまう…。

 韓国で上映された際の劇場数は800館に達して、ハリウッド映画を抑えて10人に1人はこの映画を観たという、480万人の大ヒットを記録。

 また、チン・モヨン監督は、豊かな自然の四季を通して、老夫婦2人のけなげな純愛を丹念に記録したことが、韓国の若者たちの心にも届き感銘を与えました。妻ゲヨルが、愛する夫ビョンマンや、愛犬ゴンスンとコマへと語り描ける姿は、会話や言葉を越えた愛情の強さが見え隠れして必見。

 ハンカチをご用意の上、心潤うひと時を当劇場でお見逃しなく! 

0 コメント

でま子の“キネマ探訪”その⑧「会話劇」

 映画館での勤務後に、スタッフと食事をしながら会話をするのは楽しみのひとつ。特に観た映画の感想や考察は、ついつい熱弁を披露してしまうこともあります。また、それぞれのスタッフと、たあいもないバカ話から、恋のお悩み相談、将来の夢への野心の計画など、語り合いは尽きることがありません。そこで、“なぜ、人は誰かに相談をするのか”。ふと、感じた疑問を映画紹介と共に考えてみましょう。

 

 映画観賞をしていて、「何だか字幕が多いなぁ」とか、「話になかなかついていけないぞ」とか、映画を見ながら思ったことはありませんか。そんな時に、あなたがみている映画は、「会話劇」と呼べるカテゴリーの作品かもしれません。

 

 「会話劇」で有名なのは、クエンティン・タランティーノ監督でしょうか。彼のデビュー作『レザボアドックス』では、物語の最初に登場する男たちの会話によって、登場人物の置かれている状況どのような人物なのかが、巧みに語られていく構成になっていました。また、「会話劇」といって忘れてはならないのは、俳優であり、監督のウッディ・アレンもいますね。彼の場合は、登場人物が一方的に話し続ける場合や、カウンセラー(もしくはそれに見立てた人物)に話をするパターンが特徴的です。 

 

 今回上映する『セトウツミ』もそのような「会話劇」の流れをくむ映画と言えるでしょう。独特でコミカルな会話を楽しむ映画になっています。作品の内容は、高校2年生の内海想と瀬戸小吉の“放課後の暇つぶし”の会話が、淡々と流れていきます。あなたが、ボーっしながら見ているのもひとつの良い楽しみ方です。でも、どのような意味がある映画なのか、深読みすると実に面白い作品であったりする一面もあります。少し視点を変えてみると“人間の根本にある4つの苦しみ”がテーマになっていることに気が付くかもしれません。

 

 『セトウツミ』は会話では物語は進行しないのが特徴。しかし、多くの「会話劇」の映画では、登場人物たちの会話で物語の状況がドンドンと変化していきます。冒頭にあった“なぜ、人は誰かに相談をするのか”の問答の答えは、「会話劇」のように、誰もが言語化したり、会話をすることで悩みの状況を変えていきたいからなのかもしれません。

0 コメント

キネマ旬報シアター2017年2月上映ガイド

でま子の“キネマ探訪”   その⑥「邦画は二極化?」

 2016年に、当劇場や他館で上映された映画のうちで、あなたは何本の日本映画をご覧になりましたか。昨年は、邦画の豊作の年と言われ、新解釈のリメイク版『シン・ゴジラ』、歴代興行成績爆進中の『君の名は。』、絶賛の名作と名高い『この世界の片隅に』と、どの作品を挙げても記憶と記録に残る映画ばかりです。

 現在、年間に公開され映画は約1000本。そのうち半分が邦画。

AERA」(2017129日合併増大号)特集「日本映画の決断」に掲載されていた、「5つの決断で日本映画は絶頂へ」の記事の中で、日本映画はインディーズ映画と大作映画とで「極化した」と発言がありました。個人的には、映画は二極化ではなく、“映画は多極化している”のではないかと感じています。

いわゆる映画会社が、敏腕プロデューサーのもと、広告、宣伝をして大ヒット作になる大作作品は、多くの皆さんの目や耳のも止まるでしょう。また、著名な監督の作品を、海外の多数の映画祭で出品し、受賞を宣伝の代わりにして、国内で興行していく作品も多くみられます。

一方で、片渕須直監督の世界観に共感したスタッフが制作し、クラウドファンディング(応援する人々、観客も含む)の支援をもと生まれる作品も、昨年は大きな結果を残しました。

また、次世代の若手や新人監督も意欲的で実力派揃いが目立ちます。『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督は、地道な活動して花開き、『ローリング』の冨永昌敬監督は、ユニークな作品で定評、『築地ワンダーランド』の遠藤尚太郎監督は、今の東京をドキュメンタリーに撮り、『14の夜』の足立紳監督は、実力脚本家からデビュー、『At the terrace テラスにて』の山内ケンジ監督は演劇界から映画界に進出し、『プールサイドマン』の渡辺紘文監督は、大田原から地方発信に孤軍奮闘するなど、各自がそれぞれの足元から映画にアプローチを見せています。

昨年11月に公開以降、ヒットし続けている『この世界の片隅に』。この作品は、製作、宣伝方法のみならず、いわゆる「近代」以降、映画が描き続けた対比構造(善悪、国家と個人、占領国と植民地、など)からも脱した映画と言えるでしょう。作品内部では多様性を描き、そして作り手と観客が共に観たい映画を作るという姿勢。2016年は、多様性を育み作るという時代の幕開けだったと総括したいですね。

0 コメント

『ラサへの歩き方〜祈りの2400㎞』『シアター・プノンペン』

1231()113()

 『ラサへの歩き方〜祈りの2400㎞』

 

スクリーン2

128()210()

『シアター・プノンペン』

 

新年明けましておめでとうございます。

 今月はそれぞれの国や地域の精神の継承を描いたアジア映画をご紹介します。

 1本目は、チベットの聖地ラサへの巡礼を描いた中国映画『ラサへの歩き方〜祈りの2400㎞』です。

 この作品は、チベットの山奥で生活する3つの家族が、聖地ラサと、聖山カイラスの巡礼に向かう様子を描いた映画です。2400kmもの距離を、ただ歩くのではなく、「五体投地(ごたいとうち)」という、数歩ごとに一度跪き全身を大地に投げ出すような姿勢で祈りをあげながら、約1年をかけて歩くという途方もない巡礼なのです。

 登場する巡礼者は、同じ村に住む11人の老若男女たち。実在する村人が本人役を演じており、家族構成やその背景など全て事実に基づいています。フィクション映画でありながら、ドキュメンタリーの記録という斬新な手法で描かれています。

 この作品は、政治的な主義主張はありません。しかし、「五体投地の巡礼」という日常の風景が静かに淡々と描かれることで、チベット精神への少数民族の強い敬意を感じさせ、そのことが、政権に対する強いメッセージとして観るものを圧倒させます。

 2本目の作品は、女性監督ソト・クォーリーカーの初監督作品『シアター・プノンペン』です。

 この作品は、カンボジアのクメール・ルージュ時代に300万人の国民が大量虐殺された事件を映画化した作品。

物語の舞台は、現代の首都プノンペン。女子大生ソポンは、ある日、偶然迷い込んだ映画館で1970年代のポル・ポト政権下に製作された古い映画の中に、若き日の母親が出演していた事実を知る。今はすっかり衰え、父に従順な母親は自分が女優であったことを語ろうとしない…。

 ポル・ポト政権によって、カンボジアの映画人の監督や俳優も多く殺害されてきました。クォーリーカー監督は、殺害された多くの知識人のためにカンボジア映画史を掘り起こし、今なお、虐殺の事実を隠す高官たちを問い正す、強い姿勢が感じられる映画です。

 最後に女優つながりで、邦画も2本ご紹介。1月7日から吉永小百合出演の『青春の門 筑豊篇』を上映。翌週14日からはデビュー間もない大竹しのぶ出演の『青春の門 自立篇』も、お見逃しなく!(出町光識)

0 コメント

でま子のキネマ探訪その⑤「役者はつらいよ」

 1114日に、ハリウッドの殿堂である「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に、『七人の侍』などで知られる俳優の三船敏郎の名前が刻まれました。この快挙はゴジラに次ぐ世界的な名声入りの証。2017年で没後20年になるのを前に、「世界のミフネ」ファンには嬉しい話題となりました。しかし、それほどの活躍をした三船敏郎でさえも、70年代の映画俳優としての仕事は厳しい時代であったようです。

 今回は、「70年代傑作邦画特集」の中から、俳優のこぼれ話をご紹介いたします。1968年に日本映画の興行成績は、過去最高の観客動員数を達成しますが、その後、70年代に入ると斜陽の道を歩みます。テレビが広く行き渡る一方で、社会も変動期をむかえます。1970年の「日本万国博覧会」を皮切りに、1973年には「オイルショック」、翌年には「日本赤軍ハーグ事件」、さらに「べトナム戦争終結」など、劇的な時代を迎えました。このような世相にさらされた観客たちは、映画に魅力を感じなくなりました。

 

 映画業界は、ダメージを受け、映画製作会社は衰退し、映画会社の専属の監督や俳優たちは、独立プロへの移行を余儀なくされます。


 1975年に東宝製作の『青春の門』を監督した浦山桐郎は、もともと日活専属の監督。経営不振の日活退社後に演出したのが今作です。現場を取り仕切る監督ではありましたが、東宝の技術スタッフからは、よそ者扱いで作り辛い環境だったと言います。出演を果たした吉永小百合は、「清純派女優」というイメージを一新すべく、『キューポラのある街』の恩師でもある浦山監督とタッグで大人の女優への脱皮に挑んだのです。

  同年の東映製作の『新幹線大爆破』に主演を決めた高倉健。役柄は会社経営で負債を抱え負け組へと落ちてしまったテロリストを熱演します。しかし、東映の首脳陣は、当初の主演依頼は、『仁義なき戦い』で人気絶頂の菅原文太を指名。任侠物から実録物へと観客のニーズが移行したことに伴い、高倉健は、東映のメイン俳優ではなかったのです。この映画を最後に高倉健は東映を退社。先に独立していた石原裕次郎や三船敏郎、勝新太郎のように個人で俳優の道を模索します。

 実は冒頭の三船敏郎も、『新幹線大爆破』とは因縁があります。この作品に出演した数名の俳優は、三船プロ所属から団体で挙って脱退の反旗をひるがえして出演を果たしたのです。その方たちは現在もご存命で活躍されているので名前はふせておきます。いつの時代も新しい変化を求める観客に、演じる俳優たちの本音は、「役者はつらいよ…」なのかも知れませんね。

 

 

キネマ旬報シアターにて、「70年代傑作邦画特集」

2016年12月31日〜2月10日上映予定。

1974年『伊豆の踊子』出演:山口百恵、三浦友和

    『竜馬暗殺』出演:原田芳雄、石橋蓮司、桃井かおり

1975年『青春の門 筑豊篇』出演:仲代達矢、吉永小百合、小林旭

    『新幹線大爆破』出演:高倉健、宇津井健、千葉真一、丹波哲郎、田中健

 

1977年『青春の門 自立篇』出演:田中健、大竹しのぶ、いしだあゆみ 


0 コメント